Suryamula(スーリアムーラ)

インド映画特別講座 【講師:松岡 環】

②インドの歴史映画 ~『バジラーオとマスターニー』&『ラガーン』~

 スペース・アーナンディの「インド映画特別講座」、2回目は「インドの歴史映画」を取り上げます。 インド亜大陸は、インダス文明の頃から数えると約5,000年の歴史を持つ地域です。日本と同じように歴史上の事件を映像化した作品も多く、日本で上映・公開・配信されたものだけを見ても、テレビドラマの『ポロス 古代インド英雄伝』(2017)に描かれたポロスとアレキサンダー大王の戦いは紀元前326年の事件、『アショーカ王』(2001)は紀元前3世紀の物語、『パドマーワト 女神の誕生』(2018)は13世紀のイスラーム勢力侵入時、インド映画中最も有名な歴史映画と言える『偉大なるムガル帝国』(1960)はムガル帝国第3代アクバル大帝の時代(1556-1605)の末期、

『バジラーオとマスターニー

さらに『マニカルニカ ジャーンシーの女王』(2019)は1857年のインド大反乱が舞台、というように古代から近代直前の19世紀末までに材を取った歴史映画が数多く作られています。
 その中で今回は、18世紀のマラーター王国の宰相バジラーオ(バージーラーオ)とその2人の妻との関係を描いた『バジラーオとマスターニー』(2015)と、イギリス統治時代の1893年を舞台にした『ラガーン』(2001)を取り上げます。どちらも皆さんすでにご覧になっていると思いますが、『バジラーオとマスターニー』はサンジャイ・リーラー・バンサーリー監督、『ラガーン』はアーシュトーシュ・ゴーワーリーカル監督と、どちらも実力派の著名監督による作品であり、映画としても非常に見応えがあります。

『ラガーン』

 さらには、『バジラーオとマスターニー』は歴史的事実に基づき、バジラーオ役のランヴィール・シン、妻カーシーバーイー役のプリヤンカー・チョープラー、マスターニー役のディーピカー・パードゥコーンという三大俳優が演技の火花を散らす作品ですし、一方『ラガーン』はいわば架空の物語ですが、アーミル・カーンという主役に多数の個性的な脇役が力を合わせて作られた群像歴史劇という作品になっています。また、『ラガーン』は後半の約1時間がクリケットの試合に当てられているように、スポーツ映画、クリケット映画と言ってもいい側面も持っています。個性の違う歴史映画を比べて見ることで、インドにおける歴史映画の製作テクニックにも触れてみたいと思います。  松岡 環

開催日
(2022年)
6/4(土) ※受付終了
6/18(土)
※受付終了
7/2(土)
満席 ※受付終了
※3回とも同内容の講座です。
時 間 15:00~17:30
※開場 14:30
場 所 スペース・アーナンディ
東急田園都市線「高津駅」<渋谷から各停で18分>下車1分
※詳細は申込者に直接お知らせいたします。
講 師 松岡 環(まつおか たまき)
[講師紹介]
1949年兵庫県生まれ。大阪外国語大学(現大阪大学)でヒンディー語を学び、1976年からインド映画の紹介と研究を開始。1980年代にインド映画祭を何度か開催したほか、様々なインド映画の上映に協力している。『ムトゥ 踊るマハラジャ』 『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』『きっと、うまくいく』 『女神は二度微笑む』 『PK ピーケイ』『パッドマン 5億人の女性を救った男』など、インド映画の字幕も多数担当。著書に、「アジア・映画の都/香港~インド・ムービーロード」(めこん/1997)、「インド映画完全ガイド」(世界文化社/2015/監修)。「新たなるインド映画の世界」(PICK UP PRESS/税込2,640円)も2022年4月に刊行。
参照サイト >>講師のブログ(外部サイト)
講座料 2,500円(含む資料&テキスト代)  ※当日お支払ください。
定 員 各回 11名様
映 像 120インチ プロジェクタースクリーン
留意事項 会場には10段程の階段があります。予めご承知おきください。
この講座は、床(座布団)に座ってご参加いただく形になりますので、楽な服装でお出でください。
今回も、①定員は約半分にし、ソーシャル・ディスタンスを確保する
②参加者はマスクを着用し、手の消毒も徹底する
③会場は消毒を励行、換気も徹底する
④その他、できうる限りの感染予防策を取る、という点に注意して実施します。現在は第6波が鎮まりつつある、とは言え、まだまだ油断はできません。こんな不安定な状況なので、中止のご連絡をする可能性もなきにしもあらずです。その点、悪しからずご了承下さい。
過去のテキスト
以前の講座のテキスト(A4判8ページのレジュメ+その回にお配りした参考資料)は、講座に来てくださる方に限り、1部500円でお分けします。
ご用意できるテキストは、以下の回のものです。

インド映画連続講座 第Ⅰ期「スターで辿るボリウッド映画史」
<第1回>アーミル・カーン
<第2回>シャー・ルク・カーン
<第3回>サルマーン・カーン
<第4回>アミターブ・バッチャン

インド映画連続講座 第Ⅱ期 「女優が輝くボリウッド映画の魅力」
<第1回>ディーピカー・パードゥコーン 
<第2回>プリヤンカー・チョープラー
<第3回>アヌシュカー・シャルマー
<第4回>カージョル
<第5回>アイテム・ガールズ
<第6回>シュリーデーヴィー

インド映画連続講座 第III期 「インド映画を読む!」
<第1回>ジェスチャーを読む! ~シャー・ルク・カーン作品から
<第2回>宗教とカーストを読む! ~アーミル・カーン作品から
<第3回>地理を読む! ~北インド・南インド・東インド
<第4回>歴史を読む! ~ムガル時代、英領時代、独立インド
<第5回>グローバル化を読む!

インド映画連続講座 第IV期 「映画で知る! インド人の生活」
<第1回>格差を知る! ~地域格差と経済格差
<第2回>衣服を知る! ~衣服のTPOと意味
<第3回>食文化を知る! ~映画に見る食のバラエティと作法
<第4回>祭りを知る! ~映画に描かれた祭りの数々
<第5回>通過儀礼を知る! ~インド人の人生を彩る儀式

インド映画連続講座 第V期 「インド映画のエレメンツ」
<第1回>音楽の魅力
<第2回>舞踊の魅力
<第3回>アクションの魅力
<第4回>神話の魅力
<第5回>スターの魅力

インド映画連続講座 第VI期「新たなるインド映画の世界」から
<第1回>インド映画とジェンダー
<第2回>インド映画とカースト制度
<第3回>インド映画と印パ問題
<第4回>インド映画と宗教
<第5回>インド映画と踊り

インド映画特別講座
①南アジアのドキュメンタリー映画


上記テキスト(1部500円)をご希望の方は、講座の3日前までに「受講申込フォーム」備考欄にお書き添えの上、お申込みください。
このテキストは、講座開催日に受付にてお渡しします
お申込み 受付は終了しました
『ラガーン』

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